『蒼天の拳』(そうてんのけん)は、原哲夫による日本の漫画作品。『週刊コミックバンチ』にて2001年創刊号から2010年39号(休刊号)まで連載された。かつてのヒット作品『北斗の拳』の過去を描く物語で、北条司の「エンジェル・ハート」(シティー・ハンターの実質的な続編)と共に掲載誌『週刊コミックバンチ』の中心的役割を果たしていた。コミックバンチ創刊準備号および創刊号の表紙を飾り、紙面最初の1ページ目を巻頭カラーで飾った作品である。単行本は2010年11月現在で22巻を以って完結した。最終回では「魔都上海編:完」と記されているがその後の続編については不明である。雑誌『ラジャー』Vol.001(ゴマブックス・2006)の取材に答えた堀江信彦バンチ編集長によると、本作品は『北斗の拳』サーガの「エピソード3」、週刊少年ジャンプに連載された『北斗の拳』は「エピソード4」にあたるという。又、「エピソード2」は北斗神拳が日本に伝播した時期、「エピソード1」は北斗神拳が誕生した頃に相当するとのこと(蒼天の拳 DVD Vol.9 特典映像「原哲夫×堀江信彦 対談」より)。『北斗の拳』と同じく原哲夫が作画をしているが、今回は堀江信彦が原作執筆をしている[1]。前作『北斗の拳』で原作執筆を担当していた武論尊は今回「監修」に回り、アドバイザー的な立場とされている[2]。本作では前作のような豪快過激な暴力描写や、武士道やキリスト教的感傷性豊富な教訓譚などはあまり見られず、絵以外、基本的作風が異なる[3]。主人公は北斗神拳伝承者の霞拳志郎で、『北斗の拳』のケンシロウの2代前の伝承者であり、ケンシロウの血縁的描写があるものの、関係ははっきりとしていない。ケンシロウがストイックで無口であったのに対して、霞拳志郎の人を食ったような言動や性格付けは、同じく原哲夫による連載漫画『公権力横領捜査官 中坊林太郎』の主人公である中坊林太郎に近い。これは「もし中坊林太郎が北斗神拳を使えたらどうなるだろう……?」という、原哲夫が打ち合わせの席上で漏らした一言が企画の端緒であり[4]、原・堀江の感じるヒーローの理想像を窺うことができる[2]。なおケンシロウが20代前半として描写されていたのに対し、霞拳志郎は30歳ぐらいとして描写されているため、大人のキャラクターとしての性格が強い。舞台設定は1935年頃の主に上海[5]。日本を含め海外の列強勢力が多く入り込んでいる当時の中国の状況[6]を踏まえ、様々な社会的立場のキャラクターが登場する点は、核戦争によって文明と秩序が崩壊し単純化された世界を舞台とした『北斗の拳』との大きな違いの一つ。一方、それらのキャラクター同士の接触・対話の比重が多いため、『北斗の拳』ほどには北斗神拳を駆使して戦うといった場面は見られない。また、ストーリーや設定には『北斗の拳』と相容れない部分も多い。
原哲夫×武論尊-蒼天の拳 全22巻 (RAR/795.8MB)
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